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走っているエージェントに、後から一言を差し込む──Codex 0.149が『台帳』でタスクを束ね、再開時の“権限の戻り”を止めた

OpenAIのCodex CLIがv0.149.0を公開。実行中タスクを束ねる codex agents ダッシュボードと、走っているセッションへ後から指示を送る codex queue を追加。再開・分岐時に権限プロファイルを復元する修正も入り、並走エージェントの“取り回し”を固めた。

走っているエージェントに、後から一言を差し込む──Codex 0.149が『台帳』でタスクを束ね、再開時の“権限の戻り”を止めた

OpenAIのコーディングエージェント「Codex CLI」が、8月20日に v0.149.0 を公開しました。今回の中心は、新機能を1つ足すことより、いくつも並走するエージェントを『どう束ねて、どう手綱を渡すか』に置かれています。走っているタスクを一覧で見張り、後から指示を差し込み、再開したときに権限がずれない――そうした“運用の作法”を固める更新です。

タスクを一枚の台帳で見張る

目玉は、対話画面の外に置かれた codex agents ダッシュボードです。実行中・停止中のタスクを検索し、起動・オープン・名前付け・停止までを一画面から操作できます。キーボードショートカットで移動と制御ができ、増えていくセッションを「探して開く」手間を減らします。

あわせて、実行中のセッションへ後から言葉を届ける手段も入りました。codex queue は、手元でも遠隔でも、すでに走っているセッションにメッセージを送り込むコマンドです。エージェントに張り付いて待たなくても、気づいた指示を積んでおけば、休んでいたセッションはそれを受けて動き出します。

0.149で入った主な変更

今回の更新は、細かな作業性の底上げと、無人運用の綻びを塞ぐ修正が同居しています。主なものを整理します。

新機能

  • codex agents ダッシュボード: タスクの検索・起動・オープン・改名・停止を一画面で。
  • codex queue: 実行中のローカル/リモートのセッションへメッセージを送信。
  • 作業ディレクトリ操作: /cd /pwd /cwd をTUIセッションに追加。
  • Vim編集の強化: 文字置換や cw・c$・cc などの変更モーションに対応。
  • codex doctor の診断拡張: エンドポイント保護・ネットワーク/プロキシ障害・デスクトップアプリの状態・更新の接続性を点検。
  • SDK: CLIの設定を厳密に上書きでき、推論の強度(max / ultra)を選べる。

主な修正

  • キューに積んだメッセージが、休止中のセッションを取りこぼさず起動する。
  • 再開・分岐したスレッドが、権限プロファイルを既定に戻さず復元する。
  • サブエージェントの表示重複を解消し、TUIの経路を堅牢化。
  • WebRTCの再接続で、出力を落とさず復帰する。
  • Windows Terminalのスクロールバックに、TUIの履歴を残す。
  • 非アクティブなスレッドの再生バッファに上限を設け、メモリの抱え込みを抑える。

『1つの会話』から『複数の持ち場』へ

ここ数週間、コーディングエージェント各社は同じ方向を向いています。Cursorは常駐エージェントに目標保持と自走を持たせ、Claude Codeは走っている別セッションを名指しで呼ぶ仕組みを整えてきました。Codex 0.149の台帳とキューも、その延長にあります。エージェントは「開いている1つのチャット」ではなく、複数の持ち場を同時に持つ働き手として扱う――その前提での作りです。

実務では、これは待ち時間の設計を変えます。長い処理をエージェントに預け、返答を待つ間に別のタスクへ移り、気づいたら codex queue で追加の指示を積む。人が張り付く時間を減らし、複数の作業を並べて回す運用に寄せられます。

地味だが効く、“再開時の権限”の修正

今回、機能追加以上に運用へ効くのが、再開・分岐したスレッドが権限プロファイルを復元する修正です。これまでは、セッションを再開したときに設定した権限が既定へ戻り得ました。無人で長く回すほど、「許可したつもりの範囲」と「実際に動いている範囲」がずれる余地が生まれます。この修正は、そのずれを塞ぐものです。

裏を返せば、これは再開のたびに状態が漂うという問題が実在することの裏書きでもあります。エージェントを常駐させ、止めて再開し、分岐させて増やすほど、「いまどの権限で、どのディレクトリで動いているか」を取り違える危険は増えます。codex doctor の診断強化や作業ディレクトリを明示する /cd・/pwd の追加も、そうした“現在地の見失い”への手当てと読めます。

導入するなら、まず『見張り』の口を確かめる

実運用で先に確かめたいのは、派手な自走機能より、止める・状態を知る側の口です。具体的には、codex agents でタスクの停止が確実にできるか、codex doctor がネットワークやプロキシの不調を言い当てるか、再開時に権限プロファイルが意図どおり戻るか。並走の便利さは、この“ブレーキと計器”が効いて初めて安心して踏めます。

あわせて、便利さの裏で指摘される懸念も忘れないでおきたいところです。エージェントを同時に何本も走らせるほど、人の目が届く範囲は薄まり、トークン消費や思わぬ変更が積み上がりやすくなります。今回の権限復元の修正が示すように、「無人で回す」ほど再開時の状態管理が品質を左右するという指摘は、導入時に頭の隅へ置いておく価値があります。煽る話ではなく、見張りの設計を先に決めておく、という実務の順番の問題です。

参照: openai/codex Release rust-v0.149.0 / openai/codex Releases / Releasebot: Codex Updates by OpenAI