「/clearで消えた文脈」を後から呼び戻す──Claude Code v2.1.191が固めた、取り消しと“確実に止まる”自律エージェント

Claude Code v2.1.191が登場。/clearで消した文脈を/rewindで取り消せるようにし、止めたバックグラウンドエージェントは恒久停止に。MCPの再試行やフック修正、CPU約37%削減など、無人運用と長時間セッションの土台を固めた更新を整理します。

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「/clearで消えた文脈」を後から呼び戻す──Claude Code v2.1.191が固めた、取り消しと“確実に止まる”自律エージェント

Anthropic は2026年6月24日、コーディングエージェント「Claude Code」の v2.1.191 を公開しました。新しいモデルや派手な機能ではなく、長時間まわし続ける作業や、人が張り付かない無人運用で効いてくる「地味な土台」を固める更新です。今回はその中から、開発の段取りに直結する変更を選んで整理します。

消したはずの会話を、取り消せるようにする

Claude Code には会話と編集を過去の地点まで巻き戻す /rewind があります。一方で、文脈を一掃してまっさらから始める /clear は、これまで巻き戻しの対象外でした。長い調査の途中でうっかり /clear を叩くと、それまで積み上げた指示やAIの推論はまとめて失われていたわけです。

v2.1.191 では、/rewind/clear を実行する直前の状態からの再開に対応しました。誤って文脈を消しても、直前の地点を呼び戻して作業を継ぎ直せます。試行錯誤を重ねるエージェント作業ほど、一度の操作ミスで失う時間は大きくなります。「取り消せる」という前提があるだけで、思い切った操作に踏み込みやすくなります。

止めたエージェントが、勝手に起き上がらない

Claude Code はタスクをバックグラウンドのエージェントに委ね、裏で走らせ続けられます。便利な一方で、止めたはずのエージェントが復活する挙動は、無人運用や自動化では扱いづらいものでした。今回の更新で、タスクパネルから停止したバックグラウンドエージェントは恒久的に止まるようになり、停止後に再び動き出すことがなくなりました。

あわせて、サンドボックス内のネットワーク許可ダイアログも改善されています。これまでは接続のたびに許可を聞かれていましたが、「はい」で許可したホストはそのセッションのあいだ記憶され、再確認されません。「止めるときは確実に止まる」「許した相手には聞き直さない」という、自律エージェントを御するうえでの基本的な手綱が揃ってきた格好です。

無人運用とエンタープライズに効く信頼性の底上げ

人が画面の前にいない運用では、ささいな通信エラーや権限まわりの不備がそのまま処理停止につながります。v2.1.191 はこの領域の取りこぼしを複数ふさいでいます。主なものは次のとおりです。

変更点何が変わるか
MCPの機能探索を再試行tools/list などの取得が一時的な通信エラーで失敗しても、短い間隔で再試行して回復する
MCPのOAuthを無人向けに調整ヘッドレス環境ではブラウザを開かず、URLを貼り付ける方式に直行。トークン取得も一度は再試行する
MCPのエラー表示を改善HTTP 404 のときに対象URLと設定ファイルの場所を示し、原因を追いやすくする
カンマ区切りのフック条件を修正"Bash,PowerShell" のような指定が無言で発火しない不具合を解消。自動化が静かに壊れる事故を防ぐ
管理設定の強制更新を有効化MDMやファイルポリシーで設定した forceRemoteSettingsRefresh が機能し、取得時はキャッシュを使わず最新を読む

とくにフックの不具合は、設定した本人が気づきにくい種類のものです。条件を書いたつもりが一度も発火していなかった、という「沈黙する自動化」を解消した意味は小さくありません。

長く回すほど効く、軽さの改善

長時間セッションの負荷も下がりました。応答のストリーミング中にテキスト更新を100ミリ秒ごとにまとめることで、CPU使用を約37%削減。さらに、端末出力のキャッシュに由来する長時間セッションでのメモリ増加も抑えられています。手元のマシンで何時間もエージェントを走らせる使い方や、常駐させる無人運用ほど、この種の軽量化は積み重なって効いてきます。

派手さはないが、自律運用の前提を整える一手

v2.1.191 単体で開発のやり方が一変するわけではありません。ですが「消した文脈を取り消せる」「止めたエージェントは止まる」「無人でも通信や権限でつまずきにくい」という三点は、いずれもエージェントに作業を委ねる前提条件そのものです。自律的に動くエージェントを安心して任せられるかどうかは、こうした制御と信頼性の積み重ねで決まります。便利さを広げる更新と並んで、確実に止められる・取り消せるという「ブレーキ側」の整備が同時に進んでいる点は、無人運用を検討するうえで見ておきたいところです。

参照: Releases · anthropics/claude-code(GitHub)Claude Code changelog(公式ドキュメント)Claude Code What's new(公式ドキュメント)

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