頼んでいないレビューが走らなくなる──Claude Code v2.1.215が /verify と /code-review を手動呼び出しに戻した
Claude Code v2.1.215 は、/verify と /code-review をエージェントが自分で実行するのをやめました。たった1行の変更ですが、予算・権限に続く「自律を絞る」3連続の更新の一部です。呼ぶタイミングは運用側の設計事項になります。
差分を書き終えた瞬間に走っていた検証が、止まる
Claude Code の v2.1.215 が2026年7月19日に公開されました。公式チェンジログに載っている変更点は、たった1行です。
「Claude は /verify と /code-review のスキルを自分から実行しなくなりました。使いたいときは /verify か /code-review と入力してください」。それだけです。
行数は少ないのですが、日々の手触りには直結します。これまでは、コードを直した流れでエージェントが自分で判断し、検証やレビューを続けて走らせることがありました。今後は、こちらが明示的に頼まない限り動きません。
自動起動をやめた2つのスキルは、何をする道具か
どちらも Claude Code に同梱されているスキルです。役割は重なりません。
| スキル | 役割 | 主な指定 |
|---|---|---|
/verify | 変更が本当に意図どおり動くかを確かめる。テストや型チェックで済ませず、影響する経路を実際に動かして挙動を見る | ― |
/code-review | 手元の差分をレビューする。不具合に加えて、再利用・単純化・効率化の観点でも指摘を返す | --comment(PRへインラインコメント)/--fix(指摘を作業ツリーに適用)/ultra(クラウドでの深いレビュー) |
/code-review が既定で見る範囲は、ブランチが上流より進んでいるコミットと、作業ツリーの未コミット変更です。ファイルパスやPR番号、main...my-feature のような ref 範囲を渡して対象を変えることもできます。
「勝手に走る」ことに付いてくる請求書
チェンジログは、なぜ自動実行をやめたのかまでは説明していません。理由は公表されていない、というのが正確なところです。ただ、自動で走ることに次のような負担が伴っていたのは確かです。
- 時間: レビューは差分と周辺コードを読み直します。差分が大きいほど、頼んでいない待ち時間が伸びます。
- 利用枠: 呼んでいないレビューでも、セッションのトークンとプランの利用枠を消費します。
- 意図とのずれ: 試しに書いた使い捨てのコードにも、本番同等の厳しさでレビューが付くことがあります。
なお、GitHub 連携で動く管理型の Code Review(クラウド側のサービス)は、1回あたり $15〜25 が目安と公式に案内されています。こちらは別サービスで、今回の変更対象ではありません。手元の /code-review はセッション内で走るため、この単価がそのまま乗るわけではない点に注意してください。
直近3リリースが、そろって同じ向きを指している
この1行の変更は、単独で見るより並べたほうが意味がつかめます。
| 版 | 日付 | 絞ったもの |
|---|---|---|
| v2.1.212 | 7月17日 | WebSearch の呼び出しにセッション単位の上限(既定200回)、サブエージェント起動にも上限(既定200) |
| v2.1.214 | 7月18日 | 権限チェックの抜け道を多数修正。1万文字を超える長いコマンドは自動実行せず必ず確認を出す、など |
| v2.1.215 | 7月19日 | スキルの自動実行そのものをやめる |
予算、権限、そして自動起動。いずれも「エージェントが自分の判断でどこまで踏み込むか」を狭める調整です。自動モードやサブエージェント、動的ワークフローで自律の幅を広げてきた流れに対し、直近は手綱を短く持ち直す更新が続いている、と読めます。
ただし3件だけを根拠に方針転換だと決めつけるのは早計です。今後の更新で自動起動が別の形で戻る可能性も残ります。
明日から手元で決めておくこと
自動で走らなくなった以上、「いつ呼ぶか」は運用側の設計事項になります。
- タイミングを固定する: コミット前、あるいは PR を開く前など、打つ場所を1つ決めます。都度の判断に任せると抜けます。
- 手順書に1行で残す:
CLAUDE.mdや社内の開発手順に「PR を開く前に/code-reviewを実行する」と書いておきます。 - 効率レベルを使い分ける: low・medium は数を絞った確度の高い指摘、high 以上は広く拾う代わりに不確かなものも混じります。日常は低め、リリース前は高め、といった配分が現実的です。
- 無人運用は別経路を検討する: CI やスクリプトから回したい場合は、セッションの外で動く
claude ultrareviewのような経路のほうが素直です。
手動に戻すことで、失われるものもある
自動実行には「忘れない」という価値がありました。手動に戻れば、急いでいるときほどレビューを飛ばしやすくなります。品質の担保が、仕組みから人の規律へ少し移る形です。
この種の揺り戻しには、利便性と制御のどちらを取るかという古い緊張が現れています。エージェントに任せる範囲を広げれば取りこぼしは減りますが、コストと予測不能性が増えます。狭めれば読みやすくなりますが、人が覚えておく仕事が戻ってきます。
現実的な折衷は、フックや自前のスクリプトで「必要な場面だけ確実に呼ぶ」ことでしょう。全部を自動で走らせるのでも、全部を記憶に頼るのでもなく、呼ぶ条件を自分で書いておく。今回の変更は、その設計をユーザー側に返した更新だと受け取るのが素直です。
参照: Claude Code Changelog(公式) / anthropics/claude-code CHANGELOG.md / Code Review — Claude Code Docs / Releasebot: Claude Code Updates