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サブエージェントの中が覗けて、キャッシュ代が『5分か1時間か』で割れた──Claude Code v2.1.300が“無人運用の見える化”をもう一段進めた

Claude Code v2.1.300が公開。キャッシュ書き込みを5分/1時間の寿命で分けて計上し、サブエージェントのログを覗く窓と起動時の書き換えフックを追加。無人・多エージェント運用の「見える化」を一段進める更新を開発者目線で整理します。

サブエージェントの中が覗けて、キャッシュ代が『5分か1時間か』で割れた──Claude Code v2.1.300が“無人運用の見える化”をもう一段進めた

Claude Code の最新版 v2.1.300 が公開されました。目を引く大型機能はありません。中身は、無人運用や複数エージェントの並走を「測れて・覗けて・統制できる」状態へ寄せる、地味だが筋の通った更新です。前日に出た v2.1.299 がアイドル中のキャッシュ圧縮を入れたのに続き、今回も運用の裏方を固める内容が並びました。開発者目線で効きどころを整理します。

キャッシュ書き込みを「寿命」で割って計上する

観測まわりの目玉は、OpenTelemetry の api_request イベントに cache_creation_5m_tokens と cache_creation_1h_tokens が加わったことです。これまで一括で計上されていたキャッシュ書き込みのトークン量を、キャッシュの寿命(5分 / 1時間)ごとに分けて記録します。

これが効くのは費用の内訳です。Claude のプロンプトキャッシュは、5分のものと1時間のもので書き込みの料金係数が異なります。従来は「キャッシュ作成にいくら使ったか」までしか見えませんでしたが、今回の分割で「短命キャッシュと長命キャッシュのどちらに払っているか」を後から追えるようになります。無人で回し続ける用途ほど、この内訳は効いてきます。

あわせて、トレースの span に GenAI の標準属性(gen_ai.provider.name、gen_ai.conversation.id、gen_ai.tool.name、error.type など)が付きました。業界標準の規約に寄せたことで、既存の OpenTelemetry ダッシュボードにそのまま載せやすくなります。勘で削っていた API 代を、一手ずつ測って減らすという直近の流れの延長にある整備です。

並走する“子エージェント”の手元を覗く

運用面で大きいのは、サブエージェントの透明化です。今回の更新で、次の2つが入りました。

  • サブエージェントのログを主画面に出す: mod から $.ui.view({ agentId }) を呼ぶと、指定したエージェントのトランスクリプト(作業ログ)を主画面に表示できます。$.ui.view({}) で元のビューに戻ります。
  • 起動時にワークフローエージェントを書き換える: agent.spawn の mod フックで、起動するワークフローエージェントの prompt と model を書き換えられるようになりました。これまで同フックは「起動を拒否する」ことしかできませんでした。

複数のエージェントを並走させる運用では、どの子が何をしているのかが見えにくいのが悩みでした。$.ui.view はその手元を覗く窓になり、agent.spawn フックは「どのモデルを使わせるか」「指示に何を足すか」を起動のたびに一元的に差し込む口になります。管理者がポリシーをコードで効かせられる、という意味で統制の道具です。

一方で、この強力さは裏返せます。管理設定(managed settings)経由で入った mod は、サブエージェントに渡る指示やモデルを静かに差し替えられることにもなります。統制の口は、同時に新たな介入点でもある──運用を他人に委ねる場面では、こうした二面性も意識しておきたい点として指摘できます。煽るような話ではなく、権限設計の確認事項として捉えるのが妥当でしょう。

拡張(mod)の地ならしと、オプトインの /advisor

本体を書き換える拡張の仕組みである mod まわりも、細かく手が入りました。

  • virtualText: プロンプト欄に表示されるが、下書きにも送信内容にも混ざらないガイド表示。入力を汚さずに補助テキストを出せます。
  • 右書き言語への対応: mod の Text に dir プロパティが付き、Windows と VS Code のターミナルで行が右から読める向きに揃います。
  • prompt.change フック: 履歴の呼び出し、クリア、取り消し、プラグインによる差し込みなど、手入力以外でプロンプト欄の文字が変わったときに発火します。

AWS 上の Claude Platform には /advisor が加わりました。既定では何の advisor も動かず、/advisor・advisorModel・--advisor のいずれかで明示的に選んだときだけ有効になります。CLAUDE_CODE_DISABLE_ADVISOR_TOOL=1 で無効化もできます。黙って動き出さない“オプトイン”の設計で、権限を絞りたい無人運用と相性のよい足し方です。

小粒な更新が指す、はっきりした方向

v2.1.300 は単体では小粒です。ただ向きは一貫しています。費用はキャッシュの寿命まで分けて測れるようにし、並走するエージェントの手元は覗けるようにし、拡張と承認はオプトインで統制できるようにする。人が張り付かずに回す運用ほど、この「測れて・覗けて・統制できる」の積み重ねが効いてきます。ほぼ1日1バージョンのペースで、無人・多エージェント運用の裏方が着実に固められている、というのが現在地です。

参照: Claude Code Changelog(公式) / Gradually: Claude Code Changelog / Releasebot: Claude Code Updates