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席を立った54分を、キャッシュが切れる前に畳む──Claude Code v2.1.299が長時間セッションの“戻ってきた一撃”を先回りで安くした

Claude Code v2.1.299が追加した「アイドル・コンパクション」は、200Kトークン超の会話が約54分放置されると1時間のキャッシュ失効前に自動圧縮し、復帰時の全文読み直しを先回りで防ぎます。MCP権限の狭め直しも同時に。

席を立った54分を、キャッシュが切れる前に畳む──Claude Code v2.1.299が長時間セッションの“戻ってきた一撃”を先回りで安くした

離席していたら、裏で文脈が畳まれていた

Claude Code v2.1.299(2026年10月14日公開)に、アイドル・コンパクション(idle compaction)という仕組みが入りました。200Kトークンを超える会話が約54分間なにも操作されないまま放置されると、ターミナル側がその会話を自動で要約・圧縮します。狙いは一つで、1時間で切れるプロンプトキャッシュが失効する前に、文脈を畳み直しておくことです。

地味な挙動変更に見えますが、効くのは「長い作業を開いたまま席を立ち、しばらくして戻る」という、ふだん誰もが無自覚にやっている使い方です。

なぜ“戻ってきた一撃”が高くついていたのか

Claude Code はやり取りのたびに会話全体をモデルへ送り直します。直前と同じ前半部分はプロンプトキャッシュから読み出され、ここは定価より安く済みます。ただしこのキャッシュには寿命(TT)があり、Claude Code は1時間を使っています。放置が1時間を超えるとキャッシュは失効し、復帰後の最初の一言で会話の全文をあらためて定価の入力として読み直すことになります。200Kトークンを超える長いセッションほど、この読み直しは重くのしかかります。

場面これまでv2.1.299
長いセッションを開いたまま離席1時間でキャッシュ失効約54分で自動コンパクトが発動
戻って最初の一言全文を定価で読み直し畳み直した小さい文脈を割安に読み出し
影響待ち時間と費用が上振れ先回りで上振れを抑える

つまりキャッシュが切れる手前で自動的に要約を挟み、TTLを張り直したうえで文脈そのものを小さくしておく、という二段構えです。

発動ラインは自分で動かせる

既定のままでも働きますが、挙動は設定で調整できます。

  • 発動の下限を変える: 環境変数 CLAUDE_CODE_IDLE_COMPACT_MIN_TOKENS で、既定の「200Kトークン以上」という条件を増減できます。
  • まるごと止める: settings.json に "idleCompaction": false を書くと無効化されます。

あわせて /usage も強化され、最大 effort・ワークフロー・常時オンの文脈・大きなツール出力など「費用が膨らみやすい状態」を使っているときに警告を出すようになりました。無人運用や回しっぱなしのループで、気づかないうちにコストが積み上がる経路に目盛りを入れていく流れの一環です。

ついでに締め直された“道具への通行許可”

同じリリースでは、エージェントが外部ツールを呼ぶ際の権限ルールも静かに狭められました。MCP の許可ルールが名指ししたサーバーにしか効かなくなり、mcp__a という許可が a__b や a_ まで巻き込んで通してしまう挙動が止まりました。エージェントの tools: 指定も、名指ししたサーバーのツールだけを取るようになっています。さらに claude.ai のコネクタ経由や Anthropic ホストの MCP サーバーへの通信は、HTTP リダイレクトを追わなくなりました。いずれも、無人・組織運用でエージェントの「外向きの口」が意図より広く開いてしまう余地をふさぐ調整です。

自動で畳むことの裏側

便利さの一方で、アイドル・コンパクションは要約である以上、長い文脈の細部やニュアンスが落ちる可能性は残ります。復帰後に「さっきまで共有していたはずの前提が薄れている」と感じる場面があり得る、という懸念は指摘できます。重要な長文作業では、下限を引き上げる・無効化する・節目で自分でコンテキストを確認する、といった運用で補うのが無難でしょう。また MCP 許可の挙動が今回ふさがれたこと自体、これまで広めの許可が意図せぬ範囲まで通していたことの裏返しでもあり、エージェントの権限設計は引き続き点検に値します。

派手な新機能ではありませんが、長時間・無人でエージェントを回す使い方が当たり前になるほど、こうした「待ち時間と費用を先回りで削る」土台づくりが効いてきます。

参照: Claude Code v2.1.299 Release (GitHub) / Claude Code Changelog(公式) / Claude Code v2.1.297–v2.1.299 Updates(classmethod) / Control MCP server access(公式ドキュメント)